RoOT / ルート

『RoOT / ルート』を観る。予告から楽しみにしていた河合優実主演のドラマ。期待通り、ドラマツルギーを意図的に無視した演出は、今日的にスタイリッシュで興味深い。アニメ『オッドタクシー』の別プロジェクトだというのは後から知ったのだが結果、かなり面白い世界観が構築されていると思うのである。くせ者揃いの登場人物の分厚さがいい。引き続き観るつもり。

この日、台湾でマグニチュード7.7、震度6強の地震が起きる。大地の鳴動がもたらす被害は、どこにあっても同じではあるけれど、今回の地震が起こした山の崩落の映像は、ちょっとみたことのない様子として映しとられていて驚く。

舟を編む

『舟を編む』を観る。3月から少しはみ出て、来週あたりで最終回になるのかも知れないが、第9話では玄武書房の社名の由来までエピソード化してクライマックスを盛り上げる。脚本の蛭田直美の仕事だと思うのだけれど、なかなか大したものだと思うのである。いや、もう1クールやってもらってもいいくらい。

そして今日から始まっている朝ドラの『虎に翼』は吉田恵里香の脚本で、こちらも期待が高まる。このところ、贔屓の脚本家が活躍している様子なのは嬉しい限り。

ロード・ハウス/孤独の街

『ロード・ハウス/孤独の街』を観る。1989年のパトリック=スウェイジ主演の映画のリメイクで、本作ではジェイク=ギレンホールが主人公のダルトンを演じているが、そもそも話の筋もだいぶ変わっているみたい。酒場の用心棒として雇われた流れものが、土地開発をめぐる地元のヤクザとの揉めごとに巻き込まれ、道理を正して去っていくというシンプルなストーリーでもちろん、こういうのは嫌いじゃないのである。ジェイク=ギレンホールの鍛え上げられた肉体と気合の入った格闘も大したものである。悪くない。

舟を編む

NHKのドラマがこのところのお気に入りなので、2013年の映画をあらためて観ている。10年前の映像ではあるけれど、やはり秀逸な邦画で、その佇まいはとてもいい。そしてNHKのドラマも、この世界観を素晴らしく豊かに再構築していることが知れて改めて感心する。まさに再構築という感じで、構成要素を疎かにしていない。こちらの映画はザ・ビギニングの位置付けというわけだ。

この間、言葉は知りたいものから、疎かに使うことで人を傷つけるものとなっているのだけれど、この描き方も意図的なものだと思うのである。

三体

Netflixで配信の始まった『三体』を観る。実写化ではテンセントが先行していたけれど、こちらの『三体』は原作と同じく文化大革命のリンチから開幕して、速やかに舞台はロンドンに移る。この欧化による世界観の広がりは悪くない。実にNetflixらしい実写化作品になっていると思うのである。第1シーズンは8話まであるらしいので少しずつ観ることになると思うけれど、楽しみ。

この日、茨城南部を震源とする震度5弱の地震が発生する。房総沖ではしばらくスロースリップによる群発地震が続いていたけれど、徐々に内陸に向かって震源が動いているようにもみえ、やや不穏な気がしなくもない。このような複雑系の連鎖が次に何を引き起こすかは、もちろん何人にも見通すことはできない。

SISU

『SISU / シス 不死身の男』を観る。第2次世界大戦末期のフィンランドで、金塊を掘り当てた男が、敗走しつつナチスとトラブルになって死闘を繰り広げる。男はソ連に恐れられた特殊部隊員で、一群のナチスを次々倒していくのだった。SISUというのはフィンランド語で不撓不屈の魂というような意味があるようだけれど、ボロボロになりながら、しかし何が起きても死なないという展開で91分。結末はだいたい分かる感じではあるけれど、シンプルでスピードもあるので悪くない。男のセリフがほとんどないというのが面白味。

Creepy Nutsの公式YouTubeチャンネルが英語の紹介動画を公開している。国内では『不適切にもほどがある』の主題歌『二度寝』が本日リリースで、いやそれよりも先行した『Bling-Bang-Bang-Born』がGlobalトップチャートの上位に入っていることを受けてのコンテンツなのだろうけれど、いよいよ大物感が出てきた。

BLUE GIANT

『BLUE GIANT』を観る。石塚真一による漫画を原作としたアニメーションだけれど、この漫画の方は未読。予備知識なしで十分に理解できるつくりになっていて十分、楽しめる話とはいえ、東京を舞台とした本作の前には仙台での物語があり、海外編にも続く構造があるらしい。その射程を前提に、描かれていない物語を想起させる演出が奥行きを作り出していていい感じ。陳腐な話になりかねないストーリーを、うまく紡いでいると思うのである。登場人物が20歳前という設定が俄かに信じがたい画風だし、汗と涙の描写がやや古臭い気がするとしてもだ。だがしかし、重体の人間とされた人間が突然あらわれてピアノを弾くというのは、さすがにいかがなものか。