洗練

ひと時遠ざかっていたことはあるとして最近、またUlyssesを使っている。サブスクリプション形態に移行してからも定期的にアップデートがあって、バージョンナンバーも22を数えるくらいに成熟しているのだけれど、もう変えるところもないだろうというミニマルなインターフェースでも微妙に刷新を図っているのは立派なものだと思うのである。

このたびはMarkdownの記述に合わせてフォントの大きさをWYSIWYGで表示してくれる仕様に変更されていて、えー、という気分になっている。こういう変化に従うほかないのもサブスクというものである。

同期

最近、何故かUlyssesのiCloud Syncの調子がイマイチで、MacとiOSのファイルの同期が以前はもっとスムーズだったはずと、だいぶストレスになっていたのである。OSもアップデートしているので、そういうこともあるのかもしれんという諦観を持ちつつ、競合ソフトの検討もしようかというところだったのだが、いろいろ設定を変更してライブラリのフォルダアイコンをデフォルトに戻したらどうやら神速のファイル同期が戻ってくる。結局のところ、やったことと言えばおまじないに類することだけなのだが。いやはや。

地震後の水位低下に続き、福島第一原子力発電所の1号機で格納容器の圧力が低下しているという話である。水も気体も漏れているのに放射能の漏洩を確認できないというのであれば単に検知能力が低いのである。折しも、設置された地震計の修理を怠って半年以上も放置していたということも判明して、フクイチの手のつけられない廃墟に核燃料棒を放置したまま、手をこまねいているというのが実相ではないかという疑念は高まる。予想していたことではあるが、アンダーコントロールの実態とはそうしたものだったのである。

Tot

macOSのメモアプリはシンプルで嫌いじゃないのだけれど、デフォルトで使われる日本語のシステムフォントが入力中にガタガタする不具合があって、これが治る気配が一向にないので日常的に使い込む気にならない。iOSとの連携もスムーズなだけに、もったいないことである。

サードパーティのメモアプリは山ほどあって、iCloudとのシームレスな連携も当然のように出来るものが増えたけれど、わりあい最近に登場したTotというアプリは、Markdownに対応してメニューバーから起動でき、できることといえばそれくらいというのが美点で、このところ常用している。macOS版が無料でiOS用のTot pocketが二千円を超える料金設定なのだけれど、スマホから入力できるというのもメモの運用では重要なので、これを課金して使っている。なかなか具合がいい。

MacBook Air

M1のMacBook Airを使い始めてからかれこれ3週間くらい経つけれど、当方の使い方だと12” MacBookの処理速度でもさほど不満がなかったくらいなので、M1の恩恵を感じることができるかという妙な心配をしていたのである。

しかし、バッテリーの持ちはついに電源への接続を忘れさせるレベルに到達し、ひょっとするとタブレットよりも粘り腰なので、この点だけでもガジェットの使い方さえ変えている。

そしてグラフィックス強化の恩恵もわかりやすく、4Kのディスプレイだと等倍でなければ使い物にならなかった描写が擬似解像度でもぐりぐり動いて遅延を感じさせないので、そろそろ細かい字に不自由を感じるこちらとしては大変ありがたい。難をいえば外部ディスプレイを接続している時のスリープからの復帰に画面が崩れる不具合があって、それだけでなく外部ディスプレイがらみ挙動はイマイチの完成度なのだけれど、これはたぶん既知の問題となっているので、やがて修正されると思いたい。

全体としてコストパフォーマンスに優れた機体であることは間違いなく、従来同様、モノとしての作りもほとんど死角がないマシンだと思うのである。結局、最近はこればかり使っている。

あとで読む

かつて一世を風靡した「あとで読む」Webサービスも、最近ではとんと話題にならない感じだけれど以前、無料版でわりあいよく使っていたpocketのアーカイブを眺めているとNot Foundとなっている記事がそれなりにあって、有料サービスの永久アーカイブ機能はやはり必要なのではないかという気になっている。

とはいえ、構文解析の問題からか、そもそも保存されないサイトもそれなりにあるので、PDFに出力して保存する昔ながらの方法が結局のところ確実だし、Safariにリーディングリスト機能が実装されて存在意義が揺らいでからこっち、pocketもInstapaperも技術的な進歩がほとんど止まっているのではないかという気がしなくもない。結局のところ、どれだけ簡単に確実にアーカイブできるかが価値だとすると、リーディングリストも含めて一長一短という悩ましさがあると思うのである。

Ulysses

Macを主力にするとなれば、結局のところ慣れ親しんだ環境に戻るのが自然の摂理というわけで、一度は訣別したはずのUlyssesを再び購読してテキストを集積している。ほんの数ヶ月離れていただけなのだけれど、Bis Sur仕様のバージョン21はいろいろと手が入って細部が洗練されている。わかってたことではあるが、悪くない。

App Storeでアプリごとにプライバシー情報の扱いの開示が始まったので、これを参考にしている。順次、更新がされることになるにして、既に対応しているのは比較的に意識の高いベンダーということになるだろうけれど、それでも結構、参考にはなって、このあたりの取り組みはアプリの勢力図にも影響を与えることになりそうな気がする。

M1

いわゆるApple Siliconを搭載したMacBook Airをこのところ使っている。これまた現代のオーパーツと呼ばれるM1の異次元能力についてのレビューは既に数多く出て今や異論のない様子でさえあるのは周知の通り。

従来と同じ筐体に納められた臓物は素性からして全く別物であるにもかかわらず、同じように振る舞ってスピードがただ異様に速いというのだから、その印象は寄生獣と変わらない。Rossetaの時代と比べても、Appleのエンジニアリング能力の達した域はほとんど別世界で、まずBig SurがIntelとM1で同じように動作して選ぶところがないだけでも感心する。そしてRosetta2によるバイナリ変換に遅延を感じないというのも本当なのである。

ラップトップとしての作りのよさは従前から定評のあるところとして、このコストパフォーマンスが新たなメルクマークだとすれば、競合各社も途方に暮れているに違いない。