そしてここに来て、大統領選の支持率調査は完全に横並びとなる。いうまでもなく、よくない兆候ということになる。
世界は半信半疑でこれを見つつ、しかしその影響をうまく想像できない時間帯にある。起きなくてもいい諍いが常態化して、新たな治世は災厄の日々として記憶されることになるだろう。
そしてここに来て、大統領選の支持率調査は完全に横並びとなる。いうまでもなく、よくない兆候ということになる。
世界は半信半疑でこれを見つつ、しかしその影響をうまく想像できない時間帯にある。起きなくてもいい諍いが常態化して、新たな治世は災厄の日々として記憶されることになるだろう。
The New York Timesに載っていたネイト=シルバーのコラムでは、大統領選挙の世論調査における両候補の支持率の差は存在しないといってよく、もっとも誠実な結論は50対50であり、だがしかし当人の直感はトランプだという。数字に表れないトランプ支持は2015年に世界を驚かせた。
一理ある。今週、カリフォルニアから来た客人は自分の周囲に共和党に投票する人間はいないと言いつつ、絶望そのものといった顔をしていたから、存在する分断を強く感じているに違いない。ネイト=シルバーはまた、断定的な結論を避けつつ、結果として決定的な差が開いても驚いてはいけないというのだが、文脈からして、これは不吉を予告しているということに他ならないと思うのである。まじか。
岩波新書で高橋雅延『記憶の深層』を読む。内容は素人向けに平易に書かれた記憶研究の知見だけれど、いわゆる知的生産性の方法とは多くの共通点があって興味深い。蓄積と連想がクリエイティビティを生む。アウトプットが蓄積を強化する。蓄積の変化を認識するのは困難な一方で、複利的な増え方をして大きな差を生む。方法とそのプロセスに着目した話が好きなのも、生産性マニアの宿痾という気がしなくもないとして。
朝はかなり冷え込むようになり、家人は体調を崩して寝込んでいる。
『海に眠るダイヤモンド』を観る。野木亜紀子脚本、塚原あゆ子演出となれば期待しかないが、1950年代の長崎 端島と現代を往還しつつ、謎めいた物語が進行する。初回拡大の第1話は往時の軍艦島を質の高い表現で再現しつつ、物語的なヤマ場もきちんと作り、非常に見応えのある話となっている。人々が鉄筋コンクリートの集合住宅に蝟集し、海底炭鉱の過酷にも説得力があって、ドローンを使った直上俯瞰のカメラもなかなかいい感じ。何より、誰かに踏みつけられるためじゃない人生を選び取ることを描こうとする脚本家の仕事に期待は高まる。
この日はかなり冷え込んで、朝方の気温が5度を下回る。もう少しすると車のフロントガラスの凍結も気にしなければいけなくなるのだが、とりあえず室内の冷え込みと金属製のシフトスティックの冷たさが堪える。始業前のコーヒーはアイスを飲んでいたのだけれど、とうとうホットに切り替え、しばらくはこの習慣が続くことになるだろう。
この日、夕暮れ過ぎに南西の空に金星を見つけ、iPhoneをかざして紫金山・アトラス彗星の撮影を試みる。はるかオールトの雲から飛来したこの彗星は明るくなったとはいえ、もとから視力に自信のない当方が肉眼で確認するのは難しいと考えていたのだけれど、iPhoneのカメラのナイトモードは超優秀で、画面に十分確認できる彗星の尾を映し出す。あまり期待していなかっただけに、おおっと声が出たものである。この彗星の公転周期はおよそ8万年といわれ、これも一期一会というべきであろう。
この日は伊那まで出かけて芸術鑑賞。伊那食品工業は業績の余裕を文化方向で社会に還元しようという優良企業で、本社周辺には文化の香りが立ち込めているかのようである。伊那といえばローメンかソースカツ丼かというわけで、地元の名店で昼食を食べ、高遠の歴史博物館に立ち寄って、絵島囲み屋敷を見学したりする。高遠城址公園は桜の季節でなければ閑散としているけれど、それはそれでいいものである。