久しぶりに研修に参加することになっていて、その事前課題が届く。昔の研修で読んだような書籍ばかりで、本邦の経営理論の進歩が心配になるような気がしなくもないけれど、夏の日、在宅勤務のひとときに宿題を眺めていると、何だか夏休みの感覚を思い出して、ひとつ何事かを成し遂げなければならんなという気になる。いや、気分だけ。
この日、長野県は夏休みのコロナ感染拡大について注意喚起を行ったようだけれど、何しろ調べないから様子がわからないという状況で、不可視のウイルスの何を注意しろというのか。
久しぶりに研修に参加することになっていて、その事前課題が届く。昔の研修で読んだような書籍ばかりで、本邦の経営理論の進歩が心配になるような気がしなくもないけれど、夏の日、在宅勤務のひとときに宿題を眺めていると、何だか夏休みの感覚を思い出して、ひとつ何事かを成し遂げなければならんなという気になる。いや、気分だけ。
この日、長野県は夏休みのコロナ感染拡大について注意喚起を行ったようだけれど、何しろ調べないから様子がわからないという状況で、不可視のウイルスの何を注意しろというのか。
そごう・西武の労働組合がスト権を確立したというニュースが報じられ、この当たり前の動きはしかし、この種のシステムがまともに動作しているのを久しぶりに見たという感慨を呼び起こす。この、あらゆる当たり前が壊れつつある国で。
しかし、これを伝えるニュースが「イメージの悪化を心配する声」などと、あまりにも労働者の権利を蔑ろにするスタンスで語ろうというのである。ハリウッドのストライキも同じ扱いだったことを考えれば、無責任に一貫しているとはいえ。こうした報道姿勢が、この国をどれだけ駄目にしてきたか、その悪影響は計り知れず、これを反省する動きすらないようである。
そのXは黒抜きに白のfaviconで、厨二的としか言いようのないその意匠を見物に行く。x.comでリダイレクトされるので、ドメインを替えるという話も本当らしいけれど、これがいいという意見が想像できないだけに、まぁ、ある意味で大したものである。
TwitterのロゴがXのロゴになるそうだ。このサービスも、終わりが始まってから何度もイベントが発生して、転落しながら爆発炎上する事故みたいな感じになっているけれど、奈落は確実に近づいているであろう。黄金比で象られた小鳥のロゴは、なるほど考えられたバランスだと感心したものだが、Xについて言えば、どう見てもトヨタのマークXのエンブレムである。考えるだけ無駄というのはわかっているけれど、意味がわからん。
『生まれ変わってもよろしく』の最終話、第12回を観る。このドラマでシン=ヘソンという女優を知ったのは大きな収穫で、その表情の演技の繊細さでは、キム=テリかシン=ヘソンかという脳内順序を競っている。通常よりも短めのシリーズ構成だけれど、ほとんどのエピソードを綺麗に回収し、終盤に反転の構図を持ち込んで形よく収め、設定をよく踏まえた満足感のある結末になっている。こうなってくると、もう一周くらいしてもいいのではないかという気さえなくはない。
渡世の用事で松本へ。午後になれば気温は30度という日だけれど、重装備のスーツを着込まなければいけない事情というのも、あるわけである。『マスター・キートン』か『VIVANT』かという感じでアスファルトの照り返しを歩く。松本城の周辺は、いつの間にか再開発がされていて、なんだかだいぶ景色が変わっているところもあるみたい。インバウンドで生きて行くことを決めた勢いでゼネコンの口車にのってしまった雰囲気があるけれど、100年の風雪に耐えうる文化的な奥行きがあるのかは、まだわからない。とにかく暑いので、夏は死ぬということは明らかだとして。
『どうする家康』は本能寺の顛末があって、次週はいよいよ伊賀越えという時間帯。定説を大きく逸脱せずに、どのように語るかという解釈への興味で観ることができる展開が続いていて、この頃の『家康』はだいぶ面白くなっている。
この日、目にした北大西洋の海水温のグラフは、これまでその恒常性によって温暖化がもたらす位相転移を食い止めてきた海洋が、ついに限界点を超えたことを予感させる異常な上昇を示していて、そのことに震撼する。世界の平均気温が観測史上の最高を記録し、各地が恐るべき熱波に襲われていることと符合しているのだが、それでも、数ヶ月前に始まったエルニーニョ現象は現在の状態にまだそれほどの影響を及ぼしていないというのである。
熱波そのものが農作物を枯死させ、海洋からのエネルギーの放出は必然的に巨大なハリケーンをもたらし農業は大規模な打撃を受ける。ウクライナでの戦争よりも、食糧生産は気候変動によって大きく落ち込むことになる。この先、どれほどの余地があるのかは判然としないものの、この文明にあらかじめ警告された命数はほとんど遣い込んでしまったのではなかろうか。
『超予測力』を読む。これもハヤカワのNFで、ちょっと煽りの入ったタイトルではあるけれど、問題を分解して手に負えない事柄は扱わず、実績の評価をしながら予測を行う科学的な手法の有効性と限界を説いた内容で全く常識的。その教義に至るまでの前振りが長くて、ちょっと笑ってしまう。読み物としての体裁をよく心得ているのである。それも含めて十分、面白いし、この不確かな世界を生きていくのに、科学の方法のなんと心強いことか。
この日、官房長官は記者会見で新型コロナウイルスの感染拡大に先手で対応すると述べたという。これほどの厚顔であれば、国土が焦土と化してなお、大勝利を宣言することさえするだろうが、収奪的な政府が試みているのは国民から言葉を奪い、無力感を植え付けることなのである。