カル

『カル』を観る。気合いの入った美術が注力しているのは七割方が残忍な犯行の手口なので、まず気色が悪いのだが、カークラッシュのシーンは本邦では決して撮ることが出来ない画だし、捜査本部設営の場面では『ミシシッピー・バーニング』を思い出したものである。話としても、謎の説明を行わない趣向がそれなりの効果を生んでいて、チャプターを遡って裏の筋書きを確認したからには、なるほど考えてあると感心しない訳にはいかない。