シグナル

『シグナル』を観る。同名の作品は結構、たくさんあるけれど、これは2014年のアメリカ映画。感じのいいロードムービーから、急に『ブレアウィッチ・プロジェクト』みたいな話になるのかと思ったら、立派にB級っぽい閉鎖空間ものに変わっていくのでびっくりする。そして話はそれだけにとどまらず、悪夢的な展開からSFっぽい結末に向かっていくのだけれど、100分足らずの尺での、この振れ幅には感心するほかない。なんだこれ。

ローレンス=フィッシュバーンが出演しているのだけれど、どちらかといえばオリヴィア=クックのデビュー作品というのが特筆すべき点になるのではなかろうか。冒頭20分の旅のシーンは情緒があるうえ、複雑な事情を垣間見せる感じに上手く構成されており、かなりいい感じの導入となっているのである。それが全体としては、何を目指し、どうしてこうなってしまったのかがよくわからない。メタ的な見方としては、そのこと自体が狙いということになるのだろうけれど、だからといって面白いかは、また別の話である。

X

この日、テキサスでは風速40メートルを超える暴風雨と洪水で被害が出ていると伝えられる。天変地異はまず、中西部で起きるというのは災害映画の教えるところであるけれど、もちろんそれは序章に過ぎないというのもまた常套なのである。

ペケッターはTwitter.comの利用を終えて、x.comに移行するそうである。かねて言われていたことではあるけれど、長い終わりの終わりということになる。とはいえ、最近ではまず、訪れることもないので今さらということではある。

渋滞

高速道路を通勤に使っているのだけれど、ジャンクション付近で路面工事が始まって、この先2ヶ月近く、時間帯によっては大規模な混雑が生じる可能性がある。当方は概ね、多数派とは異なる時間帯に生きているので、だいたいは渋滞に巻き込まれることもないのだけれど、窮屈な感じに車線規制が入っており、なんだか危ないなと思っていたのである。日中、車三台を巻き込む追突事故が起きて心配が現実となったことを知る。今後の工事の方針や如何に。

映画化

インドでは今週末、ニューデリーで45度の最高気温が予想されているそうである。いくら南方でもこの時期に最低気温が28度の気候というのは尋常でなく、無論のこと温暖化の一側面ということになるだろう。少し前に、気候変動がもたらす災害は、毎年6,000兆円という記事があったけれど、話半分だとしてもそれがサステナブルであるはずはない。

『おいハンサム!!』の映画の予告編を観ている。こちらの映画館にかかることはあるだろうかというのが目下の関心事。

虎に翼

今週の『虎に翼』はいよいよ寅子が高等試験を突破する運びとなったのだけれど、その過程では国、社会、家庭のあらゆる柵が友の志を砕いていく。その溜めから、初の女性弁護士となった自身の祝賀会の雛壇で、怒っていることを語る主人公、それを聞いてなお黙殺しようとする新聞という展開で、またしてもよく出来た脚本と構成なので感心する。

RoOT

『RoOT』を観る。このドラマも第6話まで来ていて、別地点から始まったストーリーは、『オッドタクシー』と同化して今や忠実な実写版といった感じ。単独でも楽しめる雰囲気はあるけれど、オリジナルを観ていないとよくわからないという話になりかねない印象ではあって、先に積読だった分を片付けたのは正解だったといえる。主人公の探偵二人は変わらずいい。

このところ、咽頭炎と熱、鼻水といった症状の病を身の回りでよく聞くのだが、風邪というより、どうやらRSウィルス感染症の流行なのではないかと思っている。コロナからこっち、人類集団の免疫システムには甚大な問題が起きている気がしてならない。そして、この日の人口動態のニュースは、昨年からのコロナ死者は国内で16,000人を越えているという話を伝える。見て見ぬふりをしているうち忘れていたのだけれど、やはり、病がなくなったわけではないのだ。

新演出

『虎に翼』は引き続き、気合の入った脚本で物語を紡いでいる。ハ=ヨンスが演じる香淑が特高に目をつけられた経緯が明かされるのだが、朝鮮の人たちが同胞と語らう場面が朝鮮語の会話が字幕入りで描かれていて、その演出にはあえてこの場面を組み込もうという意図がみえて、ちょっと感動する。リアリティというよりは、定型と違う世界を構築しようという意思の表れだと思うのである。