iPad Pro

そういえばApple SiliconがもうM4となり、これを搭載したiPad Proが発表されたけれど、このところタブレットは完全にサブ機となっていることもあって、あまり関心が払えていない。iPod nanoより薄いという表現は今やイメージできる人の方が少ないだろうというものだが、そもそも処理速度と驚愕の薄さにどこまで価値を認めるべきかは悩むところ。それに円安による価格レンジのシフトが重なって、日本での売上はかなり苦戦するのではなかろうか。

AI

M3のMacBook Airの紹介にAIという単語が使われているということを知る。従前、AIを乱発するGoogleに比較して、これを使わないAppleのコミュニケーションが話題になっていたのだけれど、これに先立って本格的な AIの年内投入にも言及があったということだから、単にAIを使っているというメッセージの発信についてAppleといえども大きな圧力を受けているということであろう。難儀なことである。今年のサービス追加について、ティム=クックによる異例の予告があったというのも、すでに報じられている通り。

M3 Pro

クラムシェルで使っていたMacBook Proだが、このところ普通に開いて使うようにしているので、キーボードが日本語配列であることが気になってきて、US配列のM3 Proに買い替えてみる。まぁあれだ、MKBHDが言っていた通り、M1からM3になったからといって、何かが変わったという感じはないですね。内蔵スピーカーに関しては、明らかに音の厚みが異なる印象があるとして。

Magic Keyboard

そういえば、iPad AirのMagic Keyboardを再び英字配列で買い直して使っている。もともと日本語配列がないことを嘆いていた記憶があるのだけれど、英字配列に慣れてしまえばローカリゼーションなど、どうして必要なのかと思うのが人間というもので、US配列を選べるのがAppleのいいところというのが現在の評価である。昨今の円安状況にあって恐らく国際的な価格ハーモニゼーションの観点から、英字キーボードのノートパソコンの入手性は著しく悪化しており、この点はかなり重要なのである。

大統合

RebuildでWWDCの振り返りを聴いている。それはともかく、改めて考えるとMacBook Airの15インチはおまけのようなもので、このタイミングで発表されたのは単に設計リソースか製造上の都合ということであろう。iOSからiPad OSを分離して、ウィジェットなどの機能の実装は後者がやや後追いすることになったが、結果として個別の品質は上がっているように見えるのと同じく、アップルのプロジェクトマネジメントは集中するポイントを自ら設定する境地にあってブレない。これが勝者の余裕というものであろう。

そしてVision Proを考えると、このところ進められてきたインターフェースの近代化は、このデバイスの全く新しいUIにとっても不可欠だったのだろうという気がして興味深い。前述のウィジェットも、何度も提案されてはそれほど使われない機能に違いないのだが、今回はvisionOSの視野に浮遊して機能することとなり、体験や有用性もちょっと変わってくるのではなかろうか。我々はこれまでより一段大きな枠組みで、その統合的な構想の実際を確認することになる。

WWDC

WWDCのキーノートをざっと眺める。噂のVision Proは、これまで数多のSFが示してきた仮想世界のハンドジェスチャーに没入する未来人像をリアルに出現させることになるという点で、どこか終末感も感じさせる気がする。万人がスマホを覗き込む未来の果て、この奇怪なヘッドセットを装着して窺い知れぬ世界を彷徨う人々の群れというのは、もちろんディストピアの光景であろう。

各OSのアップデートはどれも順当な雰囲気で、このあたりは冒険なく細かな改良を続けてくれれば文句はないので、よろしいのではなかろうか。ハードウェアではかねて噂のMacBook Air 15インチが登場して、外見のバランスが案外いい感じなのでちょっと気になっている。キーボードの配置ひとつで満足を感じることができるというのが筋金入りの境地というものである。

反動

このところPCの販売は低調という話を聞くけれど、特にAppleが大きく販売を減らしたことが話題となっている。足もとの経済は落ち込む方向にあるから前年同月比での減少に驚きはないし、ソフトウェア業界の人員削減の規模をみれば、十万のオーダーで需要が消失しても不思議はないのである。いやはや。

そして何しろM1からM2への変化はそれほど大きいわけでもないから、こちらにしたところで当面、ラップトップを買い替える必要はないんじゃないかと思っている。あまりにも性能向上が圧倒的だったので、忠実なAppleファンはM1世代で大挙して乗り換え、その大波の後の波形が物理の法則に従って大きく沈み込んだとしても、これまた不思議はない。やや戻したあと、しばらくは横ばいで推移というのが今後のイメージではなかろうか。M3で15インチのMacBook Airが出るという噂があるけれど、それはニッチというものであろう。