ミリオンダラー・ベイビー

『ミリオンダラー・ベイビー』を観る。時折、人生は暗く長い河であることを思い出させる映画というものがあるが、これもそれ。脚本は容赦なく、役者は嫌になるほどよく働いている。貌に影をかけてみせるクリント=イーストウッドのスタイルはことのほか効果を発揮しており心に重いが、全体としてはオーソドックスな作りであり、ビッグネームでなければ望めない余裕、貧乏人には期待出来ない風格のようなものがある。撮影も優秀。