『ディパーテッド』を観る。言わずと知れた『インファナル・アフェア』のスコセッシによるリメイクであり、『インファナル・アフェア』は傑作なので、いかにスコセッシといえども分が悪い。ストーリーはオリジナルにほぼ忠実で、アメリカの観客が衝撃を受けたことを察するに難くないにして、そのあたりは香港映画の功績なのである。レオナルド=ディカプリオは熱演しているが、トニー=レオンの孤高には遠く及ばない。などと、頑ななオリジナル至上主義を振り回したくはないのだが、50分も長いわり、感心するような工夫もみえないのではひとこと言いたくもなるのである。