ときおり雪が舞う。
『ブラッド』を観る。ルーシー=リューは何だってこのような映画に出ているのだろうかと考えずにはいられないほどにB級の風味が漂っており、なかなかに香ばしい。ヴァンパイアものだからというよりは、全体的な手際の悪さに起因するものと思われ、怖さもなければ感心するところもない出来である。そもそもヴァンパイア設定も王道から外れた中途半端なものであり、歴史に分け入ろうかという伏線も肩透かし気味でそもそも回収されないし、あれもこれも不覚悟ぶりが透けて見えるので、これはちょっといただけない。この監督は『ゴシカ』の脚本を書いているのだが、どうやら瑕疵は同じあたりにあって、そういう点では一貫しているのである。