マイアミ・バイス

雪は断続的に降り続け、雪かきは朝昼2回。夕方には晴れ間がのぞいて一安心。Vine, Snow, Sun
『マイアミ・バイス』を観る。2006年のリメイク。ドン=ジョンソンのTVシリーズとは似ても似つかない役者を使いつつ、マイケル=マンは実にそれらしい世界を作り上げている。つまりはカクテル光線と宵の自然光が交錯するマイアミで、いわば記憶色にある『マイアミ・バイス』そのものである。スポーツカー、高速艇、飛行機の用法も定石通り。話のほうは意外にあっさりしていて、二転三転する仕掛けよりロマンスに重心を振ってあり、機密が漏洩していたとしてその解明に執着しないあたりは潔い。いや、努力はしているにもかかわらず。ストーリーの深度までオリジナル風なのである。終盤の銃撃戦は『ヒート』を彷彿とさせる重厚さがあって、狙撃者は対戦車ライフルを使っていたりするので、結局のところそうした道具立てを鑑賞する映画といえ、その範囲での満足度は高い。