ラスト・キング・オブ・スコットランド

November『ラスト・キング・オブ・スコットランド』を観る。この作品でフォレスト=ウィッテカーがアカデミー賞の主演男優賞をとっているので、彼が主演ということで間違いないのだろうが、物語はウガンダという異界に搦め捕られたスコットランド人医師の視点で展開する。このキャラクタはフィクションであろう。アミン大統領にかかわるエピソードが狂言回しを通して語られた結果、かなりマイルドなものとなっている感じがあって(それでもひどくグロテスクなシーンはある)結局のところ何を主眼において作られた映画なのかは判りにくい。まさか、自分探しの旅に出て恐ろしい目に遭うというホラーの系譜に連なっているということでもあるまいが、エンテベ空港奇襲作戦の本筋が語られることなく、クライマックスの状況を作るためだけに利用されているのでは、基本的な姿勢を疑いたくもなるのである。