輝く夜明けに向かって

『輝く夜明けに向かって』を観る。アパルトヘイト体制下で政治に無関心な主人公が反体制組織に身を投じていく過程を題材としており、邦題は『遠い夜明け』を意識していると思われるが、映画的な迫力ではちょっと及ばない。最後に実在の主人公が登場し、してみると伝記的要素が強いのかと思われるのだが、テーマ自体は反発がテロリストを生む今日的状況を指摘しているともみえ、どうも焦点が定まらない様子である。ティム=ロビンスは恐らく確信犯的に体制側の人間を演じているが、微妙にいい人のように見えてしまう。