『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』を観る。ジョニー=デップが主人公でなければどうにも陰惨に過ぎるという話になっていたはずで、いや、ジョニー=デップであろうとやっぱりどうにも陰惨でちょっと苦手。理髪店から地下のパイ工場へ一直線というあたりのギミックとか、そうはいっても復讐譚としているところとか、多少なりとも毒気を薄めようという商業的な意図は窺えるものの、ティム=バートンの病的な創造世界の中では焼け石に水。序の口、虫入りのパイというあたりで、病の深さは知れるが、何しろ虫なのでこっちも腰が引けている。