『勇者たちの戦場』を観る。2006年制作の映画だが、早くもイラク戦争帰還兵の問題を扱っている。展開されるドラマは普遍的なものであり、ベトナム帰還兵ものにも通じるのだが、ジェシカ=ビールが右手を失った女性兵士の役であり、ウォルターリード陸軍病院も舞台として登場したりと、時節も扱っている。帰還兵が薬漬けであり、世間に腹を立てていて、職を失い、家族を他人のように感じ、ヒストリーチャンネルで欧州大戦の勲功を追想し、と類型といえば類型の畳みかけで心が晴れるドラマとは違うが、わずかに希望が残る結末とはなっている。