ONCE ダブリンの街角で

UFO『ONCE ダブリンの街角で』を観る。ストリートミュージシャンが歌を評価してくれる女性と出会い、サポートメンバーとエンジニアを得てデモCDを完成しロンドンに旅立つという、分かりやすい掌編で、話の筋はオリジナルの楽曲によって繋がっている。ケルティック・タイガーと呼ばれるほどの経済成長を続けるアイルランドのイメージではなく、どちらかというと一昔前のダブリンの風情が色濃い映像は粒子の粗い手持ちカメラによる楽曲のメイキングビデオといった塩梅で、パフォーマンスの質如何では陳腐となったに違いないが、実際にはその力強さが説得力を与えている。佳作であろう。