『その男 ヴァン・ダム』を観る。いわゆる自虐ネタで徹頭徹尾という映画であるからには、まさしくヴァン=ダムにしか出来ない役といえようが(それは遺憾ながら、ヴァン=ダムにとってはかつてなかった役柄に違いない)私生活では結婚も4度目とか聞くと、作中のある意味、素朴な落ち目キャラが実像に近いかは疑われる。それを措けば妙なリアリティがあることは事実であり、ジョン=ウーに対する辛辣な評価も本心に違いあるまい。スティーブン=セガールはいわゆるキャラのかぶった俳優であり、ポニーテールを切ったことにより競争力が上がったというあたりが笑いどころなのかもしれないが、ことほど左様に微妙なコメディとなっている。