ぼくの大切なともだち

『ぼくの大切なともだち』を観る。「あなたには親友と呼べる友達がいますか?」というのが公開時の惹句であり、ほぼその問いに従って物語は展開する。主人公はモノにしか関心のない骨董商で『隠された記憶』のダニエル=オートゥイユが演じている。ジャンルは一応、コメディということになっているが、笑える内容ではない感じ。ことに誕生日のディナーで「おまえには友達なんかいない」と皆が口を揃える場面はホラーの様相であり、これがフランス人気質であるならフランス人とは友達になれない。しかしながら、話の筋はハリウッド映画みたいなお約束に沿っており後味も悪くない。