『イースタン・プロミス』を観る。どこを切っても縮尺が狂ったような不穏な気配に満ちたクローネンバーグ印のフィルムで、何しろレーティングがR-18という、ちょいと大人向けの映画である。『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に続きウィゴ=モーテンセンが剣呑な男を演じている。ヴァンサン=カッセルと並びロシアマフィアという役回りが嵌まっていてなかなかの達者ぶり。クローネンバーグのことであるからバイオレンスは容赦なく、骨が軋むような殴りあいもあったりするが、ナオミ=ワッツがヒロインで実はロマンスの要素もあったり飽きない。