『カオス・セオリー』を観る。タイトルからすると、北京で蝶が羽ばたくとブラジルで、というような話にしたかったのだろうけど、ちっとも複雑なところはなくて、あの時10分家を出るのが遅くなったばかりにというあたりの仕掛けはあまり効果的に機能していない。ドラマとしては普通の出来。演出も凡庸なものである。手際もよいとはいえないので、全体としてはイマイチ。そもそも劇中で言及されるカオス理論のなんたるかにしてからが、オイオイそれは違うだろうというくらいなので、てんでなっていないといえばなっていない。ライアン=レイノルズは老けたメイクが違和感のない歳になっていて、なんだかスカーレット=ヨハンソンの配偶者には見えないけど、それは大きなお世話というものであろう。