『チェ 28歳の革命』を観る。ベニチオ・デル=トロは28歳には見えないが、リアル・ゲバラではあって、なかなかに見応えはある。とはいうものの、ソダーバーグの演出は『フル・フロンタル』調で、断片が全体を形作るという感じなので、細部に八百万の神がいるのはいいが、しかし全体としては妙に単調。あるいは、アメリカでキューバを描くとなると、これが正しいということなのかもしれないが、であればソダーバーグのいつもの才気というやつが鼻につく。そうでなくとも「これはクーデターではなく革命だ」「戦争には勝ったが革命はこれからだ」とかいう映画をハリウッドがつくるなんて、おいおい、どうしたんだ、しっかりしろと肩をつかんで揺さぶってやりたくなるわな。