マルタのやさしい刺繍

faded『マルタのやさしい刺繍』を観る。スイス映画なので朴訥とした画面ではあるものの、夫に先立たれた老婆が50年前の夢を実現させるべくランジェリーショップを開店するというシンプルで力強い物語の軸にバランスの良いキャラクタを配置して手堅くまとまっている。敵役の地元有力者とか、牧師である息子との葛藤とか、お約束とはいえ守旧派の嫌がらせの内容は酷く、儒教的価値観からいえばこいつら何やっとるんじゃというエピソードだったりして、まぁ、スイスの地方共同体の開明の度合いはかなり蒙い感じだが、一応ハッピーエンドではあるので赦す。