保健所で保護されていたチワワの「ごまお」がウチに来てから一週間。食い意地の張ったチワワというものを見たことがなく、それどころかチワワというのは犬の中でもかなり偏食といわれていて、その実例が家には三匹もいるのだけれど、ごまおの場合、出された食事は瞬時に完食という健啖ぶりであって、まったく感心するほかないのだが、これもその過酷な過去がそうさせるのだと思えば何だか憐れを誘う。だがしかし結果、既に200グラムは増量しているので、背骨の浮き出た体型がふくふくになるのもじきのことである。毛並みは先行して柔らかくなってきた。
手入れのされていなかった歯も、丹念に歯磨きを続けた結果、それなりに行き届いたことになって、このあたりももう一息。ほかの兄弟たちとは概ね序列が整いつつあって、ときおり諍いはあるにして、群れが出来上がるのも時間の問題である。
もともと顔の造作が整っているとは言い難く、むしろ呪怨的なオーラがよく似合う風貌であるのだが、こういうある意味、得難い特徴というのもすぐに薄れて、のほほんとした一匹になってしまうと思う。