『アウトランダー』を観る。時空を越え8世紀の北欧に墜落した宇宙船からエイリアンが逃げ出し、この宇宙船の乗組員が当地のバイキングと力を合わせてこれを退治する、という奇想天外な話ながら、バイキングの人々は本格的な戦記ものの様相で描かれるので、それほど安っぽい感じもしないというあたりが取り柄。設定はユニークであるにもかかわらず、話の筋とモンスターの造形はありきたりなものであり、そのあたりの浅薄さが全体の印象を凡庸なものにしている。時空を越えた英雄譚ということであれば、たとえば北欧神話創生の要素を入れるだけでも厚みが違うということになると思うのだが、何故だかそういう方向には話が向かわないのである。もったいない。