DVDで『アバター』を観る。3Dシステムで観てこそのアバターという意見もあろうが、あるいは、せめてBlu-rayで観ないとという見解もあるにして、DVDでも画面の稠密さはかなり新鮮である。2Dならではの発見もあって、飛翔体のレイアウトが押井守の画面にかなり似ている風に思えて、そういえば10年前に『G.R.M.』でやりたかったのはこういうことなんだろうということに思い至る。同じ10年の間に『アバター』をものにしたキャメロンを考えると、押井監督の無念は如何ばかりか。映画が産業だとすれば、産業における物量の威力は今さら論じるまでもなく、この路線の雌雄は戦う前に決しているといわねばならないが、ものづくりの道というのは一通りではなくて、たとえば僕たちには『四畳半神話大系』があるさと、この傑作アニメの第二話を鑑賞し、その同時代性に逃げ込む。