インフォーマント!

winter『インフォーマント! 』を観る。ソダーバーグの最近の作品で、実際にあったカルテル事件を背景に、内部告発者となった主人公の不可解な言動を題材としたコメディである。ソダーバーグが常にそうであるように、その笑いは幾分ねじれたものであるとして。ADMと味の素がそのままの名前で出てくるくらいでは驚かないが、主人公のマーク=ウィテカーその人が実名というあたりにはびっくり。今さらということなのかもしれないが、観ればわかるその内容は彼の名誉を大きく脅かすものなのである。カルテル事件のほうは伝えられている内容をなぞったものだし、実際のところ現実にかなり近い線で描かれているのではあるまいか。マット=デイモンは大幅に増量して90年代前半の雰囲気を撒き散らしている。全く、事実は小説より奇なり。