『エアベンダー』を観る。M・ナイト=シャマランが初めてオリジナル脚本ではないかたちでアニメを映画化したということが話題になっていた一方、その悪評も限りなくあったという感じで、どんなものかと構えていたのだけれど、ファンタジーとしては普通なんじゃないかと微妙に肩すかしを食らった感じ。
エキゾチックなアクションは多少、目新しいとして、主人公が技を習得しながら旅をする典型的な聖杯探求の構造をもった物語で、主人公の動機が明らかにされなかったり、そもそも約束の地のイメージが不明瞭であったり、ストーリーは行き当たりばったりという印象が拭えないのだが、このあたりは原作もそうなのではないかと思うのである。どことなく舞台風のレイアウトや演出は、予想外ということがあまりないストーリーに、とにかく風変わりな印象を添えていて、意図としてはそれほど悪くない。そうはいってもシャマランの作品というのは好きなので多少、点数が甘くなるというはあるのだけれど。
どうでもいいことなのだけれど、主人公は「アバター」と呼ばれる能力者で、『エアベンダー』よりは『アバター』というタイトルのほうが適切なのではあるまいか。