『サブウェイ123 激突』を観る。『The Taking of Pelham One Two Three』の何度目かの映画化だが、トニー=スコットによる本作は本来的な意味での換骨奪胎仕様となっていて、ジョン=トラヴォルタが演じる犯人はミスター・ブルーではなくライダーという名前を与えられている。主人公のデンゼル=ワシントンは地下鉄の運行指令で、例によって司令室フェチには嬉しい状況設定。トニスコとは多くの場合、趣味が合う。全体にコントラストが強くテンションの高い画面で、この世界では警察どころか市長とそのスタッフですら結構テキパキとしているので104分は長くない。良く知られた原作の調理としては正しい戦略だと思われるが、自分の撮りたい画をひたすら作っただけだと思われ、このあたりの態度は大変、好感がもてる。