デビル・ハザード

autumn『デビル・ハザード』を観る。タイトルからして期待してはいけない映画というものがあるとすればこれがそれである。だがしかし、予告編の緊迫感はそれなりのものであったし、主演はキューバ=グッディング・ジュニアだし、ヘルボーイことロン=パールマンも出演しているし、ショーン=コネリーの息子が初めて監督を勤めているという話もあったりで、少しばかりの期待があったこともまた事実。期待とは概ね裏切られるものだが、それにしてもかなりダメな感じで落胆は大きい。
キューバ=グッティング・ジュニアはかつてその尋常ではない肌の張りで年相応には見えず、それどころかゴム人形のような印象があって風格を欠くきらいがあったが、さすがに年輪というものが刻まれて人相も若干、凶悪化し、設定自体は『プレデター』のようなので、アーノルド=シュワルツェネッガーの向こうを張ろうということなのかという考えが一瞬、脳裏を掠めたことはあったとして、今日風に中東を舞台にしたこの話の方は到底『プレデター』の境地には至ってないので、いいとこ残念なパロディといった感じで実際のところどのあたりを狙ったのかもよく分からない。ヒトの思念が実体化するというソラリス風な設定もB級感を高めているばかりで脚本のレベルもその程度なのだが、全体にバストショットの割合が多い印象のある画面は問題の根底が、監督の素養の欠如にあることを示唆している。