トレイター

red『トレイター』を観る。ドン=チードルがムスリムでテロにかかわる主人公を演じたサスペンスで、これの日本語トレイラーには「初登場全米第5位!」というもの悲しい惹句があった地味な映画なのだけれど、本編を観るとそのトレイラーがかなりよく考えられて出来ていたことに気づくわけである。なかなか微妙な勘所を押さえているというか。
ガイ=ピアースがFBI捜査官の役で、『バンド・オブ・ブラザース』でコンプトンを演じていたニール=マクドノーがその相棒で出演していたりして、個人的には好みのキャスティングなのだが、全体に低予算であることは明らかで、しかし無理をせずに画面を作り込んでいるあたりに好感がもてる。あまり派手なことにはならないのだけれど、頑張っているとは思うのである。このサスペンスの結末はある意味、必見であり、観客の度量を試すような展開であるとはいえる。普通、このような結末の形態は「オチ」と呼ばれるのではあるまいか。