『ニューヨーク, アイラブユー』を観る。ニューヨークを舞台にしたオムニバス形式のラブストーリーで、それぞれのストーリーは別々の監督によって撮られており、ごく短いエピソードなのだが短編なりの面白さがあるし、豪華キャストであり、監督たちはそれぞれに張り切って仕事をしている感があって、これはこれで悪くない。チャイナタウンに始まりセントラル・パーク、アッパー・イースト・サイドと市内の各所を巡りふたたびチャイナタウンに戻ってブライトン・ビーチに至るつくりで、それぞれのエピソードは弱く相関して、街の広がりと奥行きを想起させる。日本からは岩井俊二監督が参加しているが、ナタリー=ポートマンがメガホンをとっていたりする。その才気は標準的であるとして。いつものかわいい役回りでないスー=チーはちょっといいし、いろいろと見所の多い映画である。
不思議なのは喫煙シーンの多さで、例によって煙草メジャーのスポンサーシップがあるのではなかろうかと疑われるほどである。煙草を吸わなければ間がもたないというのであれば、看板となっている監督陣の名折れというものではあるまいか。