『ブラザーズ・ブルーム』を観る。菊地凛子が『バベル』の後に出演した海外の作品で、エイドリアン=ブロディやレイチェル=ワイズやマーク=ラファロがいい仕事をしているのに、未公開DVDスルー。監督/脚本は『BRICK』のライアン=ジョンソンで、またしても才能のあるところをみせているのに、未公開DVDスルー。不思議な話である。内容は詐欺師の兄弟を主人公に据えたファンタジーであり(ファンタジーとして微妙な階梯にあるあたりがまたいい)虚構において虚構を語ろうという意欲の窺える通好みの物語であり、映像は時にやり過ぎであるとしても概ねシャレていて、きちんとした伏線があり、画面は象徴に満ち、奥が深い。素晴らしい。菊地凛子はセリフのない不思議キャラを演じてそれなりに楽しそう。