『ブレイキング・ポイント』を観る。ダイナーでの乱射事件に居合わせた人々の事後を描く群衆劇で、その時、何があったのかという謎解きの要素はかすかにあるにして、非常に地味な話である。映像も手の込んだところはないのだが、主なキャストだけでもケイト=ベッキンセイルとダコタ=ファニング、ガイ=ピアース、フォレスト=ウィッテカー、ちょい役でヘイリー=マクファーランドが出演していたり、妙に豪華であるあたりがちょっと『クラッシュ』風。だがしかし、サバイバーたちが生きることの意味を再確認するためにいろんな振る舞いをするという筋書きはあるとして、たとえば医師が妻に偏頭痛を引き起こす薬を盛るというエピソードは、脈絡的に分かりにくい上、代理ミュンヒハウゼン症候群から思いついたというだけというあたりが透けている。 登場人物はどれも類型であり、 それが配置されただけの映画ではいささか安易なのではあるまいか。