『ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間 Vol.3』を観る。この物語の作法に慣れるに従ってて、つまり微表情から感情を見抜くという様式を学ぶに従い、次第に話が面白くなってきたような気がする。結局のところ同じパターンの繰り返しなのだが、ダイアログというのはもちろんそういうものであり、微表情が語る文脈から事件の真相を遡行的に解明するといういわゆる謎解きの面白さというのも次第に語られるようになっている。パターンの定着と共に物語の面白さが次の階梯に進むという進化の様相を帯びており、なかなか大したドラマなのである。予算のほうも潤沢になってきたと見え、表情観察に使われる尋問室はそのためにデザインされていることがわかる大がかりなセットになっていて、何にせよディテールが充実してくるというのはよい兆しである。ティム=ロスのキャラクタ造形も随分と砕けた感じにアクが強まっており、人物設定が自走し始めた感がある。