『ローラーガールズ・ダイアリー』を観る。ドリュー=バリモアが初めてメガホンを取ったというふれこみの映画で、今が旬というべきエレン=ペイジが、母との微妙な葛藤を抱える17歳の女の子を演じたガールズ映画。劇中、エレン=ペイジは年齢を問われて22歳と答えるのだが、実際にはこちらが彼女の実年齢であるにもかかわらず、20歳を越えているようには見えない。そしてエレン=ペイジと桜庭一樹が似ているという考えがアタマから離れない。
映画のほうは、ローラーゲームを題材として(ローラースケートにそういうゲームがあるということを初めて知った)だがしかし、スポ根というよりは青春期における家族や友人との衝突、その和解を中心的な題材としている。一方で、ローラーゲームに打ち込むタトゥーのお姉様達が始終、大口をあけて笑っているという印象の明るい映画であり、結局のところ世は善人ばかりだし、主人公のブリスは人間関係においてもそれなりにソフィスティケイトされた少女であるので普通に楽しい。全編にいかにもドリュー=バリモアという印象のポップカルチャー的な雰囲気が漂っており、何よりそれなりに緩急のある演出がついていて、初監督作品にして堂々としたものである。『デス・プルーフ』のゾーイ=ベルが出演しているあたりの濃さもいい。