『処刑人II』を観る。かつて『処刑人/アナザーバレット』という騙りっぽい作品(というか、騙り)もあったのだけれど、この潔い題名こそ正系の証であって、『処刑人』の10年ぶりの続編。登場人物も前作を引き継いでいるのだが、前作同様の時間を往還する独特の語り口において狂言回しになるのはウィレム=デフォーではなく今回はジュリー=ベンツであり、正直なところあのアブノーマルな感じは全く出ていない。そうなると話自体は平凡なドンパチであり、何しろこの10年の間に弾丸をバラまく映像にもいろいろと進展があったというわけで、この117分はちょっと長く感じる。随所にコメディパートが入るのだけれど、もとからこういうセンスの映画だったかというあたりでまず悩んでしまう。前作の復習を事前に求めるところがちょっとあって、10年前に観たきりという観客にとってのハードルはあまり考慮されていない。それはともかく、ウィレム=デフォーはカメオ出演して帳尻を合わせている。