『極楽島殺人事件』を観る。堤幸彦の影響が顕著に見られる韓国の映画で、孤島モノという点では『サイレン』みたいだし、話のほうもそんな感じなのだが、いろいろと瑕疵はあるにして、あれよりもずっと出来がいいという点で韓国映画のバランスの良さを感じさせる作品となっている。因縁話や本土の暗い影といったあたりの仕掛けも押さえているし、血みどろであることに気兼ねのない韓国映画固有の迫力があって、ツジツマのほうはそれほど気にならないのである。演出的には堤幸彦の手柄と見えるところもあるだけに、本邦の映画にも頑張って欲しいと思うこと頻り。