『理想の彼氏』を観る。キャサリン=ゼタ・ジョーンズが15歳年下の男性と恋に落ちるという話。体裁はコメディだが品の良いもので、冒頭、夫の浮気が発覚して離婚するというあたりから始まって転居して仕事を探し、という具合に、物語が展開するプロセスはいちいち折り目正しく、端折った感じがないのが好ましい。細部が重要なのである。キャサリン=ゼタ・ジョーンズ自身はインタビューの映像よりも随分と魅力的に撮られているし、相手役を務めたジャスティン=バーサも見るからに好人物で役柄に調和している。例によって「本当の自分」の呪縛に囚われた主人公の話ではあるものの、ロマンティックコメディの常道ではあって、普通に面白い。