運命のボタン

sunset『運命のボタン』を観る。『ドニー・ダーコ』のリチャード=ケリー監督が監督・脚本なので、もちろん一筋縄ではいかないわけである。前半の話の流れからはほぼ予想もつかないような展開を物語は辿り、そのトーンはM・ナイト=シャマランのようであって、雄弁なBGMが場面を盛り上げるので、それなりに見応えがある。ストーリーは不条理なだけのシロモノではあるまいかという心配をよそに、だがしかし終盤にかけては物語的な仕掛けと結末を用意しているので、同じような雰囲気を漂わせていた『フォーガットン』よりもだいぶマシという感じ。原作は『地球最後の男』のリチャード=マシスンなのだが、1970年代という時代設定を踏襲して宇宙開発の雰囲気を漂わせつつ、一方で原作をさらにひねった展開で映画的な面白さを作り込んでいるあたりは、かなり立派と評価してもよいのではないだろうか。