『96時間』を観る。リーアム=ニーソンが娘を掠われた元CIAでパリを舞台に大暴れ、と説明すればそれまでの映画で、何しろリュック=ベッソンが脚本なので、後始末の心配などはあまりしないわけである。相当の人死にがでるわけだが気にする素振りすら見せずに猛進するリーアム親父、英語喋ってるのに何故かフランス人のふり、という気迫に付き合っているうち、ついには細かいことを気にするのが申し訳ないような感じになってくる。 事件の背景には国際的陰謀があるのかと思っていたら、悪役は粗暴犯が中心というあたりもリュック=ベッソンらしくてよろしい。描かれているパリはほとんど無法地帯という感じで、これをアメリカの脚本家がものにしたのであれば、いかがなものかという話だが、フランス人が書いてしまうのだから全く世の中というものは油断がならない。