『THE 4TH KIND フォース・カインド』を観る。アラスカ州ノームで頻発する住民の失踪事件、というあたりの惹句にはある種の引力があるのだが、実際のところ話はかなり局地的に展開するし、失踪事件というのも一件なのでスケール感というあたりでは若干、残念な感じ。演出はちょっと風変わりなもので、実際の映像と称する録画映像と役者による演技を並べてみせたりする。明らかなフィクションと対比することによって本当らしさを醸し出そうという趣向だろうが、何だか不思議な感じが先行してそのような効果があるかどうかは疑わしい。結局のところ、いわゆる宇宙人を持ち出さなくても説明可能、という重層構造が面白みではないかという気がするのだが、ちょっと風変わりな作であることは間違いない。本当らしさを演出するのに「本当です」というようなシロモノがいずれロクなものであるはずはないのだが、POVが好きな向きは観てみるべきであろう。この手法が特定進化の行き止まりにあるという気が重ねてしたものである。