『オー!マイ・ゴースト』を観る。笑うと本当はキューピー人形のような顔になるリッキー=ジャーヴェイスが、幽霊との会話が出来るようになってしまった因業な歯科医をほぼ顰め面で演じるコメディで、成仏できない幽霊をグレッグ=キニア、その妻をティア=レオーニが演じている。
マンハッタンを舞台として、物語は大方の予想に従って展開するのだが、監督のデヴィッド=コープは、ドリームワークスの脚本を多くものにしている一方、何しろ『シークレットウィンドウ』の監督を務めたひとでもあるので、不思議な画面の繋ぎ方に隠しようのない個性が滲んでいる。脚本にも名を連ねていて、こちらにも心に残るセリフが幾つかあるのはさすがだが、ジョン=メイヤーの『The Heart of Life』がBGMとして立ち上がってくるラストの余韻は独特のもので、よくあるストーリーとはいいながら、それだけではないという感じがしたものである。佳作。