『ガリバー旅行記』を観る。 ジャック=ブラックが 主人公を演じているが、スウィフトの風刺を汲んでいるということはまるでなくて、あくまで子供向けのストーリーであり、したがって役者の毒はほぼ中和されており、最後はミュージカル調。いやはや。
ジャック=ブラックにアマンダ=ピート、エミリー=ブラントに加え、最近売り出し中のT・J=ミラーといったあたりを配したキャストは豪華だけれど、ほぼ視覚的な面白みに頼った85分というのは決して短いという感じではない。リリパット国渡航記の白眉、海岸に打ち上げられたところを縛り付けられるガリバーというあたりはしっかり描写してあって、やたらと勇ましいリリパットたちというあたりが見どころであり、このあたりはわくわくするところだけれど、ロボットが登場してしまうあたりはまったくいかがなものか。