シューマンの指

『シューマンの指』を読む。最近の奥泉光といえば、どのあたりで光る猫が出てくるかが楽しみのひとつとなっているが、ミステリとしての構えもしっかりしている。メタレベルでの読み方もできるにして、そちらに振っていないあたりは意外であり、収穫でもあり。面白い。一時期の新本格はこのような境地を目指していた気がするが、それよりも奥行きは随分と深いようである。