『スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』を観る。『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ』で人並み外れた才気を見せているエドガー=ライトの監督・脚本で、スコット=ピルグリムを主人公とする8ビットな不思議の国のアリスという感じの展開はドライブ感が半端でなく、無茶苦茶面白い。大傑作。
アメコミ調の演出は、もちろんこの作品が最初というわけではないが、何かと効果的に使われていて、茫洋とした主人公が困難を乗り越えて姫を手に入れるというだけのシンプルな話がこれほどまでに激しい振幅をもち、弛んだところがないというのは、ほぼ脚本と演出の手柄であって、全く素晴らしい。主演のマイケル=セラの茫洋としたキャラクタも物語の起伏に対して実にいい感じの雰囲気を醸し出している。おすすめ。