チェイシング

disused『チェイシング/追跡』を観る。ラッセル=クロウが刑事役で快楽的殺人者を追う、という筋書きからは全く予想できないことに内容はドラマのほうに振ってあって、いわゆる刑事モノの要素はまるでない。邦題とパッケージも確信犯的にこの予想を裏切っているわけだが、原題は『Tenderness』であって、まぁ、こちらには騙すつもりはなかったであろう。
最近、観たなかでは『ブレイキング・ポイント』によく似た雰囲気で、「そのとき、何があったのか」ということが巻末に明らかにされ、遡って登場人物の内面が照射されるという系統の映画ではあるものの、この仕掛けを堪能するためには本編についていかなければならず、だがしかし抑揚の乏しい映画であって、これがなかなかしんどい。ラッセル=クロウの演技はほぼ一通りであって、見どころもない。