『ディフェンドー』を観る。ウディ=ハレルソンがコスチュームをまとい街の悪を成敗しようとする話で、『キック・アス』と似たような設定だが、救いのなさではこちらの方が上。回想シーンを効果的に使って主人公の特異なキャラクターをうまく定着させている。役柄としては『2012』で演じていた予言者に近い。制作サイドにはスーパーヒーローに対する格別の愛情というものがあるようには見えず、キャラを立てるためのひとつの方便であって、物語構造としては『キック・アス』よりもシンプルであるものの、ウディ=ハレルソンはこうした役がうまいし、カット=デニングスやサンドラ=オーといった渋い役者が周りを固めていたりで、なかなかの出来となっている。佳作。