トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン

Hanabi『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』を観る。マイケル=ベイの作品を観るといつも感じることだが、途方もないドタバタの連続に明確な作家性があって、これはこれで大いに認めるべきであるのではあるまいか。154分の尺にこってりとした画面が押し込んであって、物量をよしとするこの種のサービス精神は嫌いではないのである。主人公が日常の停滞にあって、しかし新しい恋人はあくまで美人であり、政府にはいろいろと邪険にされた挙げ句、三度、世界を救うという筋書きの定型性は、お約束にしてもひねりがないとして。
お笑い成分が高めの全編において、特に愉快なのが勤め先の変人ジェリー・ワンで、このキャラクタを使い捨てにするのは惜しいという気がしたものである。加えて特筆すべきはシャトルが撃墜されるシークエンスのイメージであって、このあたりだけでお腹一杯という感じ。