『ナイト&デイ』を観る。トム=クルーズは特に好きな役者というわけでもないけど、ちょっとサイコっぽい役回りは最高に胡散臭い様子で、いい。事件に巻き込まれるキャメロン=ディアスの視点で物語は進行するのだが、ちょっと弛みそうなあたりでは薬を盛られて次のステージへ移動するという思い切った仕掛けが導入されているので、あまりややこしいことを考えずにいろんな舞台が楽しめるテキパキとしたつくりである。このくらい開き直った展開であれば、観客の方もいろいろ言わずぽかんと眺めているくらいしかすることがない。もちろんアクションのほうもちゃんと盛り込まれていて、トム=クルーズは走っているし、得意のバイクアクションはあるし、だがしかしロマンスのほうもきちんと成立しているし、ハリウッド映画の王道を行くような映画である。面白い。
ハリウッド映画の王道であるからには、最後は南に向かわねばならないわけで、昔はこういう話がもっと沢山あったというような気すらしたものである。