パンドラム

Yatsugatake『パンドラム』を観る。宇宙船を舞台にしたSFだが、舞台劇風の演出に加え麿赤兒みたいなモンスターが登場するので何だか不思議な雰囲気が漂っている。サスペンスには緊張感があるし、気味の悪さもしっかりしているしで、なかなか悪くない。閉鎖空間を目的地目指して移動する小集団という設定は、『ポセイドン・アドベンチャー』から『エイリアン』まで数多あるわけだが、そうした先行作品のイメージを借りながらも単調を排した展開となっている。ことの顛末を説明する壁画の場面は妙に怖くて効果的な演出がされていたり、超大作というわけではないが、それなりにきちんとした仕事ぶりとなっている。話のほうは『イベント・ホライズン』みたいなのだが、工夫はあるようだ。またしてもデニス=クエイドが出演していて、コツコツと積み上げる仕事ぶりに感心する。